第四回  学びの方向

時は進み、彼は東京渋谷にある都立広尾高校・普通科に入学する。

高校1年に「小型船舶操縦士4級」、次いで高校3年「小型船舶操縦士1級」を取得する。

共に最年少枠での合格となった。

 

大学進学にあたり、彼は迷うことなく海洋学科のある大学を選択する。

水産大学(現・海洋大学)・NUBS(日本大学生物資源科学部)その二つが候補だ。

海は一つの環境要素、つまり山があり湖があり、そこから流れる川があり、そして陸が形成され、雨が降りまた山に川が流れる。

循環しているからこそ成り立つのが生態系である。

そう考えてみれば、海・魚だけ一つ勉強するのは如何なものか・・という結論に達し選択したのがNUBSであった。

ここには、専攻したMSR(海洋生物資源科学科)以外に森林・河川を専門とする11学科が存在し、“環境を俯瞰する視点”を学習する上で非常に優位性があった。

 

MSRの中でも学習分野は多岐に渡る。

微生物・魚介類・鯨類・海獣類といった生物学的視点、海・川・海流・潮汐といった地学的視点、タンパク質・脂質・死後硬直・増肉係数といった機能応用学的視点、海洋法・領土・海底資源といった海洋法規的視点・・・幅広い専攻をする過程で彼が一番興味を持った分野は「漁業学」分野であった。

 

そして、ここでの視座が彼にとっての3つ目の出会いを創る。