第三十四回 学びからの行動

どうする形であれば、カナダという異国においてビジネスを組み立てることが出来るのか?

結構これは頭を悩ませる課題であり、その突破口を見つける為に色々な資料を読み漁る。

では私がどうしたのか、結論を先に言っておこう。

「日本国籍の企業がカナダに現地法人を創設する」という絵を描き、「そこの代表権を持つ人間として配属される」という形を作る。

これが突破口だった。

さらっと書いたが結構すごいことであり、内容としては簡単だが、具現化するには各点抑えなければならないプロセスが発生する。

最後に少し解説を深めよう。

 

まずは、日本での経歴が求められる。

次に、カナダで進めようとしている事業との関連性が明確にあるか、そして当事業が「カナダ国内企業にとって競合が少なく、雇用創出を鑑みて良い循環を生むか」という点も求められる。

こういった観点から考えて、大学での履修課程、築地豊洲での業務内容、カナダでの設立意義において、私の経歴より上手いスキームを組むことができたことは幸運であった。

2015年よりセリ人として勤めていた会社での貿易部への配属となり、カナダ・アラスカ出張を通じて、この地域での事業性を感じ始めた。

これまでに色々書いてきたことを通して、準備を進め、2018年6月に会社設立を行い、その年12月に家族全員で移住を行った。

出張を通じて把握できていたこと、住んでみて認識の変わったこと等、様々な学びと気付きがあった。

 

いまここに書いている2021年12月はちょうど丸3年を迎えたところに当たる。

日本との違いは数多く、なかなか予定通りに物事が進みに進みにくい環境、コロナ大流行により大きく時代の流れが変わった事、これからも数多くの不確定要素と向き合いながら、事業を進めていくことになると思うが、その時には「これまでやってきた事」、ここに記してきた貴重な経験を思い出しながら、一歩ずつ着実に進めていきたいと思える。

 

これまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました。

疋田と魚の出会いに始まり、魚と共に成長を重ね、生態や自然への理解を深め、「好き」を「仕事」にする喜びを教えてくれた存在。

そんな魚との時間から生まれた仲間たち。

「魚が私の人生を豊かにしてくれた。魚が私を育ててくれた。」今度は私の番、私からの魚への恩返し。未来を始める。

―完―